姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


煩悩……いや、雑念を振り払うために足速に学校の敷地を出て通りに入り、迎えの車に乗り込む。

「坊ちゃん、おかえりなさいませ。」

「……ん。」

ルームミラー越しに映る浮かない顔をしている俺に、ハイヤーは心配そうな顔をするが俺が何も言わないからそっとしておいてくれている。

「坊ちゃん、今日はこのままフランス語のレッスン、ご自宅で経済学の講義、夕食後は生花のレッスンとなっています。」

「わかった。」

寝るまで目まぐるしく忙しい過密スケジュールに、今日だけは助けられた。

365日、朝から晩まで跡取りになるために必要なことしかやらない。
俺の人生はずっとそうだった。