「――私に?」
なんで?
思ったと同時に榛名聖の生い立ちを思い出してハッとする。
まさか家の力で進学するのを阻まれてるとか!?
「あ、安心して。ネガティブな理由ではないから。」
思考を読まれた。そしてあっさり否定された。
起こし掛けた腰をそっと椅子の上に戻した。
「俺ね、モデルになってみようと思うんだ。」
「モモ、モデル!?」
何回驚かされればいいのだろうか、下ろした腰がまたシャンと上に引っ張り上げられた。
榛名聖はと言えば呑気にお茶を啜って、にっこりと大きく唇に弧を描いてこっちを見ている。
人の思考を読む癖に自分は奇想天外だなんてズルいじゃないか。
その心を読んでみたくて、私も目を見開いて榛名聖を凝視した。



