「……整えて綺麗な傑さん。」
「涼ちゃん、それ遠回しに傑さんディスってるってわかってる〜?」
でもわかる。
容姿に磨きをかけることに頓着しない傑さんは、今頃くしゃみでもしているのだろうと聖は思った。
“喋るな”と指示された真と違って、姫は少し低めにした声で質問コーナーにどんどん答える。
それを近くにいた一般客の女子高生が恍惚とした顔で眺めているのを見て聖は言った。
「SNSに載った日からさ、ひーちゃんにも女の子のファンがついてきてるのに、それに気づかないなんて損な性格だよねぇ。」
今も女達の反応が変わったことに満足しつつも、「男になった途端これだ」と軽蔑してる節さえ感じる。
壇上で珍しく女相手に愛想を振り撒く姫の姿を、涼介もじっと見つめている。



