姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「お待たせしました!ミスターコンテスト最後の出場者は大注目のこの人!エントリーNo.8!2年A組広瀬真――!」

大々的な紹介と歓声と裏腹に、静々と舞台袖から姿を現すブロンド髪の純白の少女。

顔を伏しているからその容姿は窺えないが、品のある歩き姿に誰もが息を呑み静まり返った。

時間をかけてステージ中央までやってくると、ふわりとスカートをはためかせ前を向く。

――少女がそっと顔を上げた時、会場は割れんばかりの動揺の悲鳴が上がった。

「あれ本当に広瀬くん!?!?」
「やべ……俺好きになったかも……!」
「男でもいい!結婚してくれー!」

緊張と動揺から不安そうにしている表情は、儚げな憂いのある表情に見えて美少女感を加速させる。

唯一特徴的な猫目だけが彼の面影を残している。

(内股、内股内股……)

――実際は姫の指示を脳内で必死に唱えて体に力を込め、清楚さのかけらもなかった。