姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


保湿を終えて、ベースメイク、アイメイクと特に会話もないまま着々と化粧を施していく。

私の手が頬に触れる度、広瀬真はびくりと目元や口元、肩をいちいち反応させる。

「くすぐったがり?可愛くないわよ。」

「……うるせぇよ。」

その反応が小動物みたいで可笑しくて、クッと悪戯っぽく笑う。

広瀬真は照れ隠しにジッとこっちを睨むけど、メイクできゅるきゅるの女顔になりつつあるから全然怖くなかった。


「そう言えば広瀬真ってなんで金髪にしてるの?」

ウィッグの僅かなズレから覗く髪の根元の黒髪に、ふとそんな疑問が湧いた。


「……………………。
……“HEROs(ヒーローズ)”っつー漫画の影響。」