姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


瞬間、場の空気がぽわんとそよぐ。

白い清楚なワンピースと、長いブロンドヘアのウィッグ。

メイク前なのと仕草のせいでまだ男がはみ出てるけど、すでに他とは一線を画した可愛らしさだ。


大きめに着たくて買ったワンピースが、こんなところで役に立つとはね。


「ちょっと!大股禁止!
顔顰めない!はいここ座って!」


用意した椅子に広瀬真を座らせる。

そしてそのまま手早く前髪を上げると、顔の保湿に取り掛かった。

「足元不快……つーかこの服、お前の?」

「だったら何よ?
あっ汚したら許さないからね!」

大きいコットンを両頬にべったり貼っているから、広瀬真の温度が上がったことには気づかない。

「……汚すか!」

近くで顔をのぞいているのが気まずいのか、目はずっと伏せられていた。