瞬間、場の空気がぽわんとそよぐ。
白い清楚なワンピースと、長いブロンドヘアのウィッグ。
メイク前なのと仕草のせいでまだ男がはみ出てるけど、すでに他とは一線を画した可愛らしさだ。
大きめに着たくて買ったワンピースが、こんなところで役に立つとはね。
「ちょっと!大股禁止!
顔顰めない!はいここ座って!」
用意した椅子に広瀬真を座らせる。
そしてそのまま手早く前髪を上げると、顔の保湿に取り掛かった。
「足元不快……つーかこの服、お前の?」
「だったら何よ?
あっ汚したら許さないからね!」
大きいコットンを両頬にべったり貼っているから、広瀬真の温度が上がったことには気づかない。
「……汚すか!」
近くで顔をのぞいているのが気まずいのか、目はずっと伏せられていた。



