姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


――ミスターコンテスト控え室

出場者の集まる室内はざわついていた。
話題の広瀬真にくっついて、私も入ってきたからだろう。

広瀬真に衣装を握らせ衝立で隔てられた着替えスペースに追いやる。

空いている長テーブルに自前のメイクボックスを置き、メイク道具を広げた。

コンテストはミスターコンが先でミスコンが後。

この後の自分の支度を考えると時間がないのだ。


「――お構いなく♡」

そわそわしながらこっちを見ている、雑な女装姿の男共に愛想よく微笑みかける。

(敵も女にメイク頼んだのかしら……出来栄えはまぁまぁね。

でも服装はメイドとかチャイナとかイロモノばっか!)

それなりに女子人気の高い奴らが出てるみたいだけど、これなら圧勝ね。正当な評価を得られる前提だけど。


「終わった、けど……」


ものすごく気まずそうに表情を固くした広瀬真がギクシャクしながら衝立から出てきた。