姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

「ひーちゃんって口ではクソとかくだらないとか言うけど、お祭り騒ぎ自体は好きだもんねぇ。本人に自覚あるかはわからないけど。」

「ないな。」

「やっぱり?友達いないの拗らせすぎた難儀な子だよねぇ。」

あちゃー、と額に手を当てコミカルな動きをする聖。

「クソなのはイベントじゃなくて、“楽しいイベントでひとりぼっちの自分”だったってことに気づけるといいんだけどね〜。」

「聖は辛辣すぎる。」

「あは⭐︎でもそーいうことでしょ?
今は友達も一緒だからきっと楽しいよ〜って。」

先にそっちを言うべきでは?と思ったがその通りなので特に何も言わない。

「楽しみだね〜。だから頑張っていいポスター作らないとね。」

そう言って笑う聖は心底楽しそうだった。

AM 12:35
昼休み。旧校舎のいつもの教室は俺1人だけで音もなく静かだ。
聖は出来上がったポスターについてクラスの女子達との会話に花が咲き、賑やかにやっていたので置いてきた。

先に昼食を食べてしまおうか、本でも読んで待っているかと考えていると教室のドアが開く音がした。

「あ゙ー、ダルッ!…って、涼介1人?」

真が後ろ頭を掻きながら不機嫌そうな足音を立てて入ってくるが、聖がいないことに気づいてきょとんとした顔になる。

「まぁな。そっちは?」

「あー、姫?アイツはコンテストの持ち物?とかルールについて細っかく質問しまくってたから置いてきた。」

俺の向かい側、丸テーブルの一席に座って弁当を広げ始めた。

「さっき呼ばれたのコンテストの概要説明会みたいなやつ?」

「そー。そのあとなんか写真撮られたりしたけど。
既にめんどくせぇ、既にウゼェ。なんで俺がこんなこと……」

ブツブツ文句を言いながらも、姫を助けてやろうとする真は律儀で情に厚い。不機嫌なのに「いただきます」と挨拶はちゃんとするところも。