姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


文化祭まで1週間を切った頃、学校の内装までもお祭りムードで溢れてきた。

校内の壁や窓にはそれぞれのクラスや部活の模擬店や企画のチラシがそこかしこに掲示され、昼休みや放課後は各々のクラスでみんなで賑やかに準備を進めている。


そんな中でもとくに注目を集めていたのが、アナウンス部主催のミス・ミスターコンテストのポスターだ。


玄関前の掲示板一面を使った大判用紙の両端には、私と広瀬真の写真がそれぞれバーンと載っている。

中央にはコンテスト開催の見出しと、“広瀬真・藤澤姫参戦!”という鮮烈な見出し付き。

こうなると対抗馬がおらず、特典を与える者同士がただ勝つだけというつまらない展開になると誰もが予想できてしまう。

だから特典については、下の方に小さい文字で“優勝特典あり”と書かれているだけになった。


「でももう遅いんだよねぇ〜。」

榛名聖と2人で画材を運びながら掲示板の前を通りかかった時、榛名聖がふぅとため息をついて言った。