姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「――まぁ、とにかく〜。
藤澤ちゃんは俺達の“友達”だから。

変なことしたら許さないよー?」

サッと私の肩を抱き、モヤシと壁の間から助け出して余裕の笑顔の榛名聖。


「言っとくけどアイツの性格最悪だからな?
口もわりーし。目ぇ覚ましたほうがいいぞ。」

私の代わりにモヤシの前に顔を覗かせた金髪が、心底哀れんだ表情でモヤシの肩をポンポン叩いた。

モヤシの手をポトンと落とすように解放した近江涼介が、無言で出口へと歩き出す。

「じゃ、行こっか。藤澤ちゃん⭐︎」

私の頭はまだ何が起こったかわかっていない。

笑顔の榛名聖に促されるままに、どんよりとした教室から脱出する。


頭はずっと真っ白のまま。

だけど胸はずっとドキドキして、4人で抜けていく雑木林の新緑がチカチカと光って見えた。