姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「ここよ、こーこ!これ!」

チラシの右下――トゲトゲした大きな吹き出しの中の文字を指差し、注目するようバシバシと指差す。

そこには“ミスコン優勝特典”と“ミスターコン優勝特典”が二つ書かれている。問題はその内容だ。

「どれどれ〜?ミスターコンテストの優勝特典はぁ……

藤澤姫のほっぺチュー?わーお⭐︎」

「こんなのセクハラよ!人権侵害よ!何で勝手にこんなことになってんの!?

っていうかミスコンの景品はH2Oの誰かとツーショットチェキ⭐︎とかマイルドなのに、何でこっちはキス!?意味がわからないい!」

チラシ紙をぐしゃりと握りつぶして頭を抱え地団駄を踏む。
近江涼介は我関せずといった様子で、広瀬真はなぜか青筋立てて動揺している。

「何でだろうね〜?俺らの方はちゃんと許可取りに来てたのに……あ。」

榛名聖の視線が宙を見たまま止まる。


――彼が思い出すのは2週間ほど前のこと。