姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


“いつもと変わらず”無口無表情な近江涼介の横に、榛名聖が並んだ。

「助けてもらったみたいだね?ひーちゃんに。」

近江涼介の表情を観察するように見つめながら、榛名聖は笑みを深める。

反応を伺われているのがわかるから、近江涼介は目線だけを榛名聖に向けて小さくため息をつく。

「……もともと救われてたし。姫にも、聖にも真にも。」

「!」

返答が予想外だったのだろう、驚いたのは榛名聖の方だった。

「素直!そんなこと思ってたなんて意外!好感度上がっちゃうなぁ〜。」

「意味不明。」


「ちょっと助けて!広瀬真に掴み掛かられた!」

「オメーが殴ってこようとするからだろうが!」

みんな、それぞれに傷や痛みを抱えている。

でも賑やかに、ちょっとずつ変わっていくはずだから。
ドタバタとした今、この瞬間も。

だけどそれは、きっといい方向なんだって思う。