姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「でも俺はさ。」

真の顔が上を向く。
凛とした自分の意思が燃える目をしていた。

「敷かれたレールを歩くことになるとしてもちゃんと納得して、自分らしく歩きたいと思ってる。」


“諦め”ではなく、“望んで”道を歩きたい。


そのために戦うのだとまっすぐに伝えてくる真の言葉が、涼介の心の奥で静かに響き波紋を残す。

「――ってもそういう心境になったの割と最近だし。
“らしさ”とかもあんまわかんねぇけどな。」

そう言って笑う真の顔は、清々しく見える。

鳴り始めたチャイムの音が、涼介の心を駆り立てた。

――だから、少し考える。

“俺らしい”って、“俺”ってなんなんだろうかと。