淡々と重い生い立ちを話す近江涼介の顔を、私は見ることが出来なくなっていた。
死んだ兄を強要されるって何?
生まれた時からずっと?
そのせいで自分がわからなくなった?
怒りなのか悲しみなのか、自分でもよくわからないけど、とにかくネガティブな感情で体が震える。
ひどい、ひどすぎる。
近江涼介の周りの奴らは近江涼介をなんだと思っているの?
赤ん坊だったら身代わり人形にしていいなんて理屈はない。
見かけ上の性格に問題がなかったら、人格否定されている状況を静観していいとか。
そんなことあるわけがないじゃない!
「……許せない……。」
口をついて出た呟きをきっかけに、ドドーッと滝のように感情が溢れ出す。



