姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


姫は経験不足のせいで自分の感情を正しく形容するのが苦手なだけで、元々感情豊かな人間なのだと思う。

俺はその逆で、形容はできるけどそこに当てはめる感情がない。


だから姫を見ていると眩しくて、ちょっと心地いい。

俺が感じられないものを、体現してくれるから。



ひねくれているけど自分の感情や意思にまっすぐで、そのくせ自分の気持ちには鈍感な変な奴。

いつも全力で笑ったり怒ったり悔しがったり、忙しい奴。

自分の感情と向き合って足掻く不器用な奴。

友達にも真剣に向き合おうとする強い奴。

猪突猛進で危ういことも多いから気づくと目が離せなくて、笑っているとホッとする。


姫の変化に巻き込まれるように、真も聖も変わっていった。

俺だってそうだ。

他人に対して何かを思うなんてこと、今までなかったのだから。