姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

痛みを顔に力を込めて堪えながら、その目には怒りとも悔しさとも憎しみとも取れる激情が滲んでいる。

女嫌い?だから男を誑かしてる?

静かに、でも強烈に放たれた彼女の感情に、居ても立っても居られず窓を開ける。

声をかけたのは無意識だった。

「やっと静かになったか。」

俺の声に反応して、藤澤姫がこちらを見上げる。

強い感情を溢れさせている目が、俺を認識すると瞬時に感情を閉じて作った笑みに変わった。

「……変なとこ見られちゃったかなぁ?」

気持ち悪い作り物の笑顔。
でもその中身は激しい感情が詰まっている。

「――お前、あんな一方的にやられて、悔しくねーの?」

俺の言葉に一瞬動揺したように揺れる藤澤姫の瞳。
笑顔もほんの少しだけ冷ややかな笑顔に変化した。

「別に?だって私、やられて当然の事してるんだもん。」

「……ふーん。」

“そういうこと”か。

俺と似たようなことをしているのに、全然違う奴。

その瞬間に藤澤姫に興味を持って、秘めた感情を引き摺り出してみたくなっていた。