そこにいたのは女数人と、壁に追いやられた藤澤姫。
彼女の表情は見えないが、囲む女達はかなり興奮しているのがわかる。
男を誑かして回っていると言っていたし、おおよそ恨みでも買ったのだろう……
そんなことを思っていると、集団の中の1人が藤澤姫に向かって思い切り手を振り上げた。
藤澤姫は避けることも防ぐこともせず立ち尽くしている。
いや、上手く体が動かなかった?
容赦ない平手打ちを頬で受けた衝撃で小さな頭が勢いよく右を向く。
それと同時に彼女はドサリとその場に倒れ込んでしまった。
――その時に垣間見えた表情は、本物だった。



