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「跡取りの役割を押し付けられたのがウゼーから、反発してやった。」
いつだったか、旧校舎に真と2人だけだった時、なぜか真の家の話になって不機嫌そうに真が言った。
“跡取り”であることを求められ、自我を出すことを禁じられた真と、“死んだ兄”の代わりを強要された俺。
真の家の事情を知って、俺と少し似ていると思った。
でも、真はそれに反発して必死に自己を確立しようとしている。
なんで自分にはその気持ちが湧かないのだろうか?
感情の欠如。自分のなさ。
それをまざまざと自覚させられるのに、それにすら何も感じることはなかった。
自分の空っぽさを突きつけ続けられる毎日。
そんな時に出会ったのが――……
「あのぉ……お隣いいですか?」
姫だった。



