姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


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それから聖と2人でいることが増えた。

あの日、聖も他のクラスメイトと同じで“仲間探し”をしていたのだろう。
聖の方がもっと根深くて必死な欲求だったけど。

そんなことも節々の言動や雰囲気から察せるようになっていた。

脱力した軽薄な態度や言動は、自分の弱さや本心を隠すため。
他人が自分の領域に踏み込むことをやんわりと拒否する心の壁だ。

その壁のおかげで、聖はこちらの領域にも不必要に踏み込んでこなかったから一緒にいられたのだとは思う。

ただ、同じ“演技”でも聖のはあくまで軽薄な“フリ”。
“涼そのものになる”俺のとは全く別物。

聖の演技の核には、ちゃんと“自分”がいる。
俺は演技の皮を剥いだら誰もいなくなってしまうのに。

演技をしないで何もない自分のまま誰かと一緒にいると、その落差に自分が生きているのか死んでいるのかよくわからなくなった。