姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「そっか。じゃあここで勝手に状況証拠を並べて、考察しても仕方ないんじゃないかなぁ? 」

言いながら、スマホの画面を私に見せる。
近江涼介とのやりとりだ。最新のメッセージは数分前。

「涼ちゃんにどういう背景があるのか、何に苦しんでいるのか、やっぱり本人と話さないと。」

“具合はどう?まだ熱はある?”
“だいぶ良くなった、熱も下がった”

そんな簡素なやりとりだった。

「病み上がりに賑やかに押しかけるのも悪いから、ひーちゃんが話を聞いてきてくれない?」

「よく考えたらお前の話の中の涼介自身の言葉って、拒絶以外なかったしな。

ちゃんと本心引き出してこい。……でもブチギレんなよ。」

2人に背中を押されて、意を決して立ち上がる。
助けたいと思うなら、拒絶に躊躇っている場合じゃなかった。

「ちょっと行ってくる!」

ドタバタと走って学校を抜け出して、近江涼介の家に向かう電車に飛び乗った。