「涼ちゃんだって俺らの友達だよ?
涼ちゃんに義理立てするのはいいことだよ?
だけどそれで2人が苦しんでるなら、あんまり嬉しくないなぁ。俺もまーくんも。」
優しい声色が脳みそを侵食していく。
……近江涼介も2人の友達……。
その言葉にまたハッとした。
そうだ。さっき“2人になら話てもいいかも”と思いかけたのは、ちゃんと受け止めてくれると思ったから。
あのことをテキトーに扱わないと思ったから。
――なんでそう思ったかと言えば、2人は“友達”だからだ。
唇に込めていた力が緩むと同時に、顔全体の筋肉も力が抜けてへなへなと眉尻が垂れていく。
聞いてほしい。助けてほしい。
私じゃなくて、近江涼介のことを。
「実は――……!」


