姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


近づいていいのかわからなくて、数歩前で立ち止まる。

「具合は……まだ悪いか。」

はは、と1人乾いた笑いを溢す。気まずい沈黙。
さて、何から聞けばいいのか……

「スルーしろって言っただろ。」

布団の中低く淡々とした声が聞こえた。
言われた。確かに言われたけどさ。

「無理だよ、だっていろいろ変……」

「いいから、ほっとけ。」

はっきりとした拒絶。“これ以上は踏み込むな”ってことだ。
ぐ、と言いかけた言葉が全部引っ込んだ。

声色があまりに暗いから、それに逆らっていいのかもわからない。

「……また来るから!」

――重い空気を払えぬまま、その日は何も言えずに帰ってしまった。