異空間にでも放り込まれた様な気分になってきて、視線が忙しなく動く。
ざわつく胸を押さえながら、深く息を吸って吐いた。
(……落ち着け、とにかく状況を整理しなくちゃ。)
たまに写り込む両親は、時間経過の老いはあれど同一人物。
なのに近江涼介だけが小学校の卒業式以前と以降で別人になっている。
別人と言っても、2人はなんとなく似ていて――……
(兄弟?)
ひとつの可能性に心臓の音が静かになる。
ぎこちなく近江母へと振り返り、震える唇を開いた。
「あのー……近江くんって兄弟がいたり……?」
なんとか笑顔を保ちながら、目を見開いて近江母の返事を待つ。
私の緊張も知らず、彼女は朗らかな笑顔だ。
「涼ちゃんに兄弟?いないのよ〜。
ずーっとひとりっこ!」



