姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「ちょっと近くで見てもいいですか?」

どうぞと言われてすぐにテレビ台の前に座り、左から順にじっくり眺めていく。

最初の写真には、すやすやと眠る赤ん坊が写っていた。

「まださすがに面影ないですね。」

あの無愛想にもこんな無邪気な時があったのか。
想像できなくてクスリと笑う。

「もう少し大きくなったら、今の近江くんに似てくるのか……な……。」

写真でその成長を追おうとした時、3枚目でさぁっと全身の血の気が引いた。


そこに写るのは、サッカーボールを持った4・5歳くらいの少年。

真っ直ぐな黒髪。笑って細くなる切れ長の目。

雰囲気は近江涼介に重ならなくもない。

――でも、これは近江涼介じゃない。

言うなれば、そう。
芸能人のそっくりさんの様に、似てはいるけどなんか違う、みたいなそんな違和感。

どっと出た冷や汗が背中を伝う。心臓がバクバクして痛い。

(――いや、子どもなんて後から顔変わったりもするし。)