姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


家の中もよくある普通の居間だった。

冷蔵庫には買い物メモが貼ってあったり、棚には土産物っぽい置き物が飾ってあったり……
生活感が溢れている。


いや、だから悪いなんてことはないんだけど。
ギャップが、ね?


「まだ授業残ってたでしょうに、付き添ってくれてありがとうね。
名前は……えーっと……」

「あ、……藤澤 姫、…です。」

たどたどしい自己紹介になってしまった。

“友達の家で、その親とソファで並んでお茶”なんてよく考えたらすごいシチュエーションだ。

広瀬真の家や榛名聖の別荘にも行ったことがあるけど、あれは状況や場所が特殊だったから例外。

自分の家の生活に近い、けれども全く違う空間に立ち入ることが初めてで、だからこそ緊張してしまう。