姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


近江母(おうみはは)は驚いて熱がある我が子と私を交互に見ている。

「涼ちゃんが熱?珍しい。大丈夫なの?」

我が子が朦朧としているのに、“心配”より“困惑”が勝っているかのような顔。

「それに付き添いって……彼女?」

慌てているのにふわふわした口調。


なんだろうこの違和感……。

なぜか距離を置かれたから?
親子なのに似てないから?

そんな近江母の相手をする余裕がないのか、黙って恐らく自室であろう部屋に消えて行く。

「彼女ではなく友達なので……では私もこれで。」


早く頭を整理したくてそそくさと出て行こうとする。

「待って!…よかったらお茶でも飲んでいかない?」

そんな風に言われたら、断ることもできない。

「……はい。」

うっかりぶりっこの悪癖が出てしまった。

朗らかに微笑みかける近江母に、愛想のいい笑顔で頷いた。