姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


爽やか涼ちゃんが登場するのではないかと、気が気じゃなくてギンと目を見開いて近江涼介を凝視する。

けれど、その表情は変わることはない。

「……本当はあいつらとも一緒に行きたかったんだろ?
だから気分だけでもと思って。」

私のため?

拍子抜けして力が抜ける。
そうだった。近江涼介はこう見えて友達思いのいい奴だった。

「じゃあもう一個買わなきゃね!」

辺りを見渡して同じものを見つけて、一つ手に取った。
これは近江涼介の分だ。

「割り勘して買お。そんで明日、みんなで食べよ!」

些細なことを覚えていてくれる友達がいる。その事実が嬉しくて、気付けば私は笑っていた。