姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「私に取り入っても傑兄ちゃんは靡きませんよぉ?
そういう女の人ばーっかりなので。」


敵だとわかれば態度を決めるのは簡単だ。

可愛く笑ってムカつくことを言えばいい。

そうすると全員本性を現して私に対する嫌悪感を暴露したり悔しそうにしたりする。

それを見ると私はやはりそうだった、とスッキリするのだ。


けれど、有馬美咲の反応は私が今まで見たことのないパターンだった。

「知ってる知ってる!
心配しなくても、傑の1番はいつだって姫ちゃんだよ!」

けらけら笑ってポンと肩に手を置かれた。

「あー可笑しい。なんだかんだ仲良しだもんね。」

わけがわからず表情筋のすべてが中央に寄る勢いで顔を顰めて首を傾げた。


(なんで今笑われてるの?嫌味言ったよね?私。

っていうか心配って何?兄ちゃん盗られる心配なんてしてないけど。

え、もしかして“傑兄ちゃんを盗られそうだから牽制かけた”って思われてる?)