姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「バカにしてる?」

生温い視線に眉を顰める。
口元も薄ら弧を描いていて腹立たしい。

「――いや。」

近江涼介はなおも淡々としている。

「姫が楽しそうだなと思って。」

「んな……ッ!」

全く予想していなかった言葉に時が止まった。
何の感情なのか自分でもわからないまま、息が詰まる。

なんとなく悔しくて、ギュッと眉に力を込めた。

……まぁ確かに魚たくさんいるなとか思ったし?

バカにみたいにでかいカニとかタコ見て驚いたりもしたし?

ウミガメ見つけてはしゃいだりもしたけど!

決して楽しいとかでは……

「…………。」

落ち着かない指先に視線を落として黙り込む。
逸れない近江涼介の視線に、ぐ、と喉が鳴った。