「バカにしてる?」
生温い視線に眉を顰める。
口元も薄ら弧を描いていて腹立たしい。
「――いや。」
近江涼介はなおも淡々としている。
「姫が楽しそうだなと思って。」
「んな……ッ!」
全く予想していなかった言葉に時が止まった。
何の感情なのか自分でもわからないまま、息が詰まる。
なんとなく悔しくて、ギュッと眉に力を込めた。
……まぁ確かに魚たくさんいるなとか思ったし?
バカにみたいにでかいカニとかタコ見て驚いたりもしたし?
ウミガメ見つけてはしゃいだりもしたけど!
決して楽しいとかでは……
「…………。」
落ち着かない指先に視線を落として黙り込む。
逸れない近江涼介の視線に、ぐ、と喉が鳴った。



