姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


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休日の水族館最寄り駅は人で賑わっている。
改札前の壁際に、私と傑兄ちゃんは2人並んで立っている。

「かわいっ…あの人達双子?」
「あれ、“ひめちゃん”じゃない?SNSでバズってた子!」
「ちょっとお前、声かけてこいよ……!」

改札から出てくる人々が私達兄妹を見て、惚けた顔でソワソワと通り過ぎていく。

誰も近寄ってこないのは、男と目が合う度に傑兄ちゃんが鬼の形相で威嚇しているからだ。

先程電車が駅に着いたのだろう、改札口に途切れかけた人の流れが蘇る。

その中から有馬美咲がマキシ丈のスカートをはためかせながら笑顔で走ってやってきた。

「お待たせ!2人とも目立つから見つけやすくて助かったよ〜。」

「……傑さんお久しぶりです。」

そしてその背後には、モノトーンの落ち着いた私服姿の近江涼介が立っている。

「電車降りたとこで会ったの。

……ていうか、姫ちゃんと傑、今日は一段と双子感あるね。」

あはは、と軽快に笑いながら有馬美咲は言った。。

――そう見えるのには理由(わけ)がある。