私の答えを待たずにまた出口の方へと歩き出す。
なんで、って。知るわけない。
そもそも私の顔が怖いなんて、天地がひっくり返ってもあるわけないじゃない。
「じゃーな、ブ……、行こうぜ聖。」
金髪が慌てて口を噤んで背を向ける。
モヤモヤした胸からギシ、と音が鳴った気がして堪える様に歯を食いしばった。
――それからはいつもの憎まれ口を叩くこともなく、金髪と榛名聖はファンの女子を侍らせて去って行った。
なんなの!?なんなの!?
なんなのあいつら!!
廊下で声をかけてきた男達に笑顔でさよならと手を振るも、心の中は大噴火。
涼やかに歩いているつもりなのに歩調もなんだか荒々しくなってしまった。
私が危険な目に遭ってるのに!
近江涼介は冷たいし!
榛名聖はヘラヘラしてるし!
金髪はバカだし!アホだし!
……ってアレ?
それって割と、いつも通りじゃない?
「なんで怒ってたの?私……。」
急に冷静になって立ち止まる。後ろを歩く人が気づかずぶつかりそうになっていたけど、気にしない。
無意識に笑いが溢れた。
そうよ、なんで怒ってたの?奴らが無礼なのはいつものことじゃない。
はー、無駄にエネルギー消費しちゃった。失敗失敗☆
なんだかスッキリして足取りも軽やかになってきた。
『どうしてそんな顔になっちゃったのかな?』
榛名聖の言葉なんてどこかに飛んでいって、モヤモヤの理由を掘り下げて考えもせず家に帰りその日はぐっすり眠った。



