姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


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学校の前まで来ると、正門を通過して裏門に回る。
車窓から見た正門前は昨日同様の賑わいだ。

――その中心に、見慣れたキャラメルブラウンの髪を見た。

「そう言えば、榛名聖は大丈夫なのかしら?」

「さぁ?知らね。元々うるさく騒がれててもニコニコできる奴だったし。

それに、アイツも車通学だし困ってんなら自分で対処できるだろ。」

「確かに……。」

囲まれている後ろ姿からは榛名聖がどんな気持ちでいるのかが伺えない。

昼休みか、夕飯にでも誘って聞いてみればいいかと思っている内に車が角を曲がりその姿は見えなくなった。