姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

AM 8:00
静かに一礼する高井さんに見送られ、車に乗って学校へ向かう。
特に会話もBGMやラジオもなく、静かな時間。

俺の1日って学校にいないと、大半静かなんだよね。なんて自嘲してみたり。

AM 8:15
学校通り手前の人通りの少ない場所で下車。
高級車で車通学ってお金持ちひけらかしてるみたいでなんかカッコ悪いでしょ?

住宅街を抜けて、同じ制服を着た人が多く歩く通りに出る。
俺の存在に気づいた女の子たちがハッと息を呑んで恥じらったり興奮したりして反応をするから、俺は愛想よく手を振った。

こういうわかりやすい反応をする子はどんな子でも可愛いと思う。

ロボット涼ちゃんや古風で硬派なまーくんと違って、俺は普通の男の子だからね。
まぁ性的な興味と恋愛はまた別の話なんだけど。

「お、聖。はよー。」

噂をすればまーくんの登場だ。
夏の太陽にしっかりセットされた金色の髪が輝いている。

H2Oが2人揃って黄色い声が一際大きくなる中、まーくんが俺の横に並んだ。

「なぁ、物理の課題やったか?一個合ってるかわかんねーところがあったんだけど…」

まーくんの朝の話題はもっぱら勉強の話だ。

不良みたいな見た目してるクセに中身はクソ真面目。
つまんない奴ってちょっと前まで思っていたけど、今はそれもまーくんらしさかと思う。