姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「てか、彼女じゃないし。クラスメイト。
他の友達と逸れただけ。」

「えーそうなの!?じゃあ俺に紹介してー!彼女募集中なの今。」

「誰がするかよ、バーカ。」

目の前に広がる光景に、「!?」が頭の中を埋め尽くす。


近江涼介“みたいな”奴が、大口開けて笑ってる。

楽しそうに喋ってる。しかもたくさん。

姿形は近江涼介だし、さっきまでそこにいたのも近江涼介のはずなんだけど……これは多分知らない奴だ。

ワハハと小学生男子みたいに盛り上がる近江涼介のそっくりさんと優斗と呼ばれた男のじゃれあいを見ながら、気が遠くなっていく。


――あれ、私暑さでおかしくなった?
今見ているのはすべて幻覚か?夢か?幻か?


目を擦っても頬を抓っても目を凝らして見てみても、元の世界に戻ることはない。

だって今見ているものが現実であり、さっきまでいた世界なのだから。