姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―



「お前らそれっ…かん、間接キ……!」


「間接キスくらいで何どもってんのよ気持ち悪。」

「まーくんって意外とムッツリだからねぇ⭐︎」

小鳥の餌やりのようなやりとりが面倒になって、榛名聖のかき氷を奪い取る。

「友達同士なんだし別に気にすることじゃないでしょ。」


まして榛名聖に関しては、最近家で私が苦手なニンジンが練り込まれている物を密輸することがよくある。

だからそんなこと日常茶飯事なのに。

そんな事情知る由もない広瀬真は、依然として信じられないという顔で口をパクパクさせている。


――ついにキャパオーバーしたのかドカンと広瀬真の頭が噴火するような音がして、広瀬真の大声が響いた。

「うるせー!俺がムッツリなんじゃなくてお前らが変態なんだろーが!」

そのままドスドスと荒い足音を立てて参道へ戻り人混みの中に消えていく。

間接キスくらいで大騒ぎして、お子ちゃまかよ。

「あららー、今度はまーくんのご機嫌とらなくちゃ。
お子ちゃまが2人もいると大変だね〜。」

あははーと本当に面白いと思っているのかわからない笑い方をして、「ちょっと追いかけてくる」と榛名聖も人混みの中に消えた。

ちなみにさりげなく私のこともディスって去っていったの、ちゃんと覚えておくから。