姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

―――
有名私立青藍高校に君臨する3人の王子様、H2O。

成績優秀、眉目秀麗、才色兼備、イケメン等々の名を欲しいままに、おまけにキャラ被りも無しときた。

クールにお色気、キュート系。

誰かしらが女子の心にクリティカルヒット、彼らを見て落ちない奴は女じゃない。

そんな彼らの前に現れたのは人間の形をした美少女(自称)!

どっかの星のお姫様らしいそれは、地球の男を娶ろうと画策していた!

迫る貞操の危機、どうなるH2O――――!!!

―――to be continued.

「ちょーっと待ったああああ!!!」

榛名聖の持っていたお手製紙芝居を思わずフルスイングで叩き落とす。

キテレツストーリーに、ついうっかり。
――っていうか“お手製紙芝居”って何?
ストーリー意味不明なクセに、やたら作画クオリティ高いんだけど。

てかもうどこからツッコんでいいのかわからないんだけど、とりあえず。

「美少女(自称)って何!
私は自他共に認める稀代の美少女なんですけど!?」

「あ、初めにツッコむのそこなんだぁ。」

「藤澤ちゃんブレないね〜」と榛名聖からまばらな拍手を贈られた。ムカつく。


「人間扱いされてねーとこをまずツッコめよ、ブス。」

私の隣で紙芝居を見ていた金髪が、無謀にも噛み付いてきた。

「黙れキュート系。」

「誰がキュート系だ誰が!」

「えっ!まさか自分はクール系かお色気担当だと思ってたの?
ないわーまじないわー冗談は頭の程度と身長だけにしてよね。」

カーン!と気持ちよく戦いのゴングが鳴り響き、私とキュート系の間に大きな火花が散る。

そもそもこのバカ金髪のどこがキュート系よ。ゴキブリの方がよっぽど可愛いわ。

その傍で、近江涼介が静かに散らばった紙芝居の1枚を拾い上げた。