姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


「――夏祭り。」

最後に淡白だけど芯のある声がして、全員の注目がそこに集まる。
声の主である近江涼介は、まっすぐ私を見て言葉を続けた。

「皆で行くんだろ?」

その言葉にチカチカと胸に光が走る。

直後、波の様に込み上げる喜びに目も口もパッと開いて息を呑んだ。

『夏祭りも、行こうね!』
『気が向いたらな。』

覚えてくれてた。いつかの約束!

「行くッ!近江涼介最高!」

興奮そのままに3人に向かってタックルしに行ったら、中央にあったテーブルに激突してテーブルが大きく傾いた。