姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


PM 22:30

勉強後、ゆっくりお風呂に入って上がると渉兄ちゃんが帰ってきた。

渉兄ちゃんはサクッとシャワーを済ませると、リビングのダイニングテーブルに座ってのんびりお茶を飲んでいる。

そこに私と傑兄ちゃんも加わって、夜の団欒タイムが始まる。

賑やかなバラエティ番組に傑兄ちゃんが大笑いしている中、今日の出来事を渉兄ちゃんにも話して聞かせた。

「楽しそうでよかったね、姫。」

“腹が立った”で締め括った内容なのに、穏やかに笑ってそんなコメントをする渉兄ちゃんに、私は不満げに口を尖らす。

「ちゃんと聞いてた?ムカついた話なんだけど!」

「でも楽しそうだよ。」

フフ、と笑ってなぜか嬉しそうな渉兄ちゃん。
なぜか恥ずかしくなって熱くなってきて、わたしはますます眉間の皺を深めた。

「もー知らない!寝るから、夜更かしはお肌に悪いからー。」

ベッと子どものように舌を出して見せると乱暴に立ち上がる。

それでも渉兄ちゃんはのほほんと笑っていて、「おやすみ」と兄ズが声をかけてきたタイミングでも頬を膨らませて不服の意を露わにして自室に戻った。



カリカリしながら勢いよく布団の中に潜り込む。
今日は全体的にしてやられた気分になった一日だった。

明日は榛名聖を小馬鹿にして、広瀬真をギャフンと言わせ、近江涼介にゴメンナサイと言わせてやるんだ。

明日の楽しみを数えて、今日覚えたマダガスカル語を反芻しながら眠りにつく。

今日はおやすみ、また明日。