ブランコから跳ねるように降りると、反動で座面がキィキィと揺れる。
榛名聖の前に立ち、奴と真っ直ぐ向き合った。
「アンタ前、私に“八つ当たりしてる”って言ったでしょ。」
『だめだよー?藤澤ちゃん。
今のは完全に八つ当たりだ。』
私の気持ちも知らないで、って正直ムカついた。
――でも違うよね。知ってたんだ、榛名聖は。
「榛名聖だって“そう”じゃん!
“ズルい”って勝手に嫉妬して見下して――……」
私とこの人は似た者同士。
ないものねだりの意地っ張り。
「そういうのはね、“羨ましい”って言うの!」
空にも届く大声に、カラスが飛び立って木がざわめく。
夕日がその場を朱く染めた。
硬く結ばれていた榛名聖の唇が、ぽかんとしたように緩んで開く。
――それは、心が動いたサインだろうか。
「本当は安心してたんでしょ。
“みんな自分と同じ”だって。」
胸の奥がズキンと痛む。
自分の“孤独”を認めるって、案外怖いことだったのね。
榛名聖も同じなのか、眉にギュッと力が入った。



