姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―



「服はまぁ…これでいいか。ヤローはここでテキトーに着替えとけ。」

妹に甘い傑は、不服そうに姫の頼みを聞いて聖をリビングに通した。

室内に干してあった洗濯物の中から、渉のTシャツを選び取って聖の方へ投げる。

それを受け取りはするが何も言わず表情も暗い聖に、傑は訝しげに首を傾げた。


「姫は“素”って言ってたけど、やっぱ雰囲気違いすぎない?

……もしかして姫がなんかした?
姫って世界一可愛いけど世界一気ぃ強いからなー。」


洗濯物を1枚ずつ端に寄せて穿くものを探しながら、傑はひとり気丈に話し続けている。

ちょうどいいものが見つからなかったのだろう、「ちょっと待っとけ!」と言ってリビングを出て行った。