姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


(……相変わらず、ムカつくなぁ。)


「俺はもともとこんな感じ〜。パーティーとかの顔はよそゆきだっただけ〜。
ね?涼ちゃん。」

人好きのする笑顔。一緒にいてくれる友達。
彼にはないものを見せつけるように涼ちゃんに目配せした。

「あぁそーかよ!」

ほら、傷ついた。
歪む表情に溜飲が下がる。

真くんは苦しそうに声を絞り出した。

「てかなんなんだよ、今まで散々無視しておいてー……」



「真。」

存在が消えかけていた涼ちゃんの、決して大きくはないのによく通る低音が響く。

涼ちゃんの目は相変わらず涼やかなのに、ほんの少しだけ温度を感じる。

驚いた真くんが、涼ちゃんの方を見た。

「俺と聖でこれから行くとこあんだけど、来る?」

――涼ちゃんがなぜそう言ったのかはわからない。

けれど、こうして大嫌いなまーくんも仲間に加わることになる。