姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


中学生になった時。
俺が何をしても両親が愛情を向けてくれることはないと悟る。

そしたら、俺の歪みはどんどん加速していった。


今までし続けてきた努力をやめても何も言われないし、夜な夜な出歩くようになっても気にも留められない。


幼い子どもの試し行動みたいに、悪いことをやってみるけど後始末に来るのはいつもめんどくさそうな顔をした秘書。

親が来たことなんて一度もない。


夜な夜な出歩いていた頃、よく通っていた溜まり場みたいなゲームセンターがあった。

「聖〜、遅いよー!」

「ごめ〜ん、抜け出すのに時間かかってさ〜。」

着崩して原型のない制服に身を包む男女の集団の中に溶け込むように、軽薄な態度も言葉遣いも身につけた。


この集団だってバカばっかりなのは変わらない。

「親がウザイ」とか「親が〜してくれない」とか、愛情に甘えて好き勝手ばかり言うバカ。

ただ、周りに合わせて騒いだり笑ったりしていると、孤独が紛れて楽だった。

素行の悪さを両親は気にもしないけど、元々の友人には嫌厭された。


当たり前だ。

みんなそれなりの家柄の子供。
家に迷惑がかかるような奴とは付き合いたくないでしょ?

それでも家族のお荷物扱いは体裁が悪いから、社交の場にはたまに連れ出されたりもして。


そこには真くんが出席していることもあって、彼はいつも誰かに囲まれている。

集団の中心にいる真くんと、たまに目が合うと気持ちが沈む。


誰にも俺の気持ちなんてわかるわけない。

家にもここにも、夜のあの場所にも、どこにも俺の居場所はなかった。