――6年前、俺が10歳の頃。
学校が嫌いだ。
家族とどこへ行ったとか、パパママにこんなことをしてもらったとか、話を聞くのがウザいから。
ただ、いい子でいることは上手かった。
おかげで友達みたいな存在はたくさんいたし、先生からの評判も上々。
絶望してもなお“いい子”で居続けたのは、まだどこかに父や母がいつか振り向いてくれるかもって、淡い希望があったからなんだと思う。
「ねぇねぇ聖くん、知ってる?週末の倉敷家主催のパーティーに、“あの”広瀬家も来るんだって!」
僕の席を囲ってクラスメイト達がそんな話題で盛り上がる。
“広瀬”といえば日本の中でも指折りの名家。
さらに僕達と同い年の1人息子がいることも皆知っている。
でも、“広瀬の子”は一度も俺達の前に現れたことはない。
だから初めてのお目見えに皆んな興味津々みたいだ。
――広瀬の“大事な”跡取り息子。
僕とは正反対の存在。
(……どうせなんでも持ってる奴でしょ。)
喧しい周りの音に1人取り残されたように、僕はただ周りに合わせて笑っていた。
学校が嫌いだ。
家族とどこへ行ったとか、パパママにこんなことをしてもらったとか、話を聞くのがウザいから。
ただ、いい子でいることは上手かった。
おかげで友達みたいな存在はたくさんいたし、先生からの評判も上々。
絶望してもなお“いい子”で居続けたのは、まだどこかに父や母がいつか振り向いてくれるかもって、淡い希望があったからなんだと思う。
「ねぇねぇ聖くん、知ってる?週末の倉敷家主催のパーティーに、“あの”広瀬家も来るんだって!」
僕の席を囲ってクラスメイト達がそんな話題で盛り上がる。
“広瀬”といえば日本の中でも指折りの名家。
さらに僕達と同い年の1人息子がいることも皆知っている。
でも、“広瀬の子”は一度も俺達の前に現れたことはない。
だから初めてのお目見えに皆んな興味津々みたいだ。
――広瀬の“大事な”跡取り息子。
僕とは正反対の存在。
(……どうせなんでも持ってる奴でしょ。)
喧しい周りの音に1人取り残されたように、僕はただ周りに合わせて笑っていた。



