姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―

***

ようやく訪れた昼休み。
自分の席から石のように動こうとしなかった広瀬真を、無理やり旧校舎へと連れてきた。

けれども広瀬真は1人ソファに座ってだんまりを決め込んでいる。

「どーしたのよ、広瀬真。いつにも増してツンケンしちゃって!」

援護を求める様に榛名聖と近江涼介をチラリと見る。
しかし、“話すまで待て”と言う態度。

仕方なく私が席を移動して広瀬真の隣に座った。

「ねーぇ、真くん。お話しして?」

あえていつもの様に茶化して顔を近づけると、広瀬真の左頬が少し腫れていることに気づいた。

「――なな何コレ!どうした!誰にやられた!?」

どう見ても殴られてできた怪我。
瞬間湯沸かし器の様に「敵討じゃ」と息巻いた。

「今朝、進路について話してたら口論になってやられた。
父親に。」

父親?
ああ、あの頑固クソ親父か。