姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


……私にはそのリアクションの意味がわからない。

だからその不可解さを表情と声色に惜しまず映し出した。


「知ってるけど?何1人で焦ってんの?」

「………、だよな?」

私の態度に広瀬真も冷静さを取り戻し、首を傾げ始めた。

なんなのコイツ。情緒不安定か?

「まあいいけど。アンタらを落とした時に女共が嫌ってる可愛い私でいた方が、ダメージ大きそうじゃない?
――だからやってるの♡」

可愛い笑顔を継続しながら、様子を伺う女共に挑発的な視線を送る。
期待通りに歯噛みする姿に満足して広瀬真に向き直った。


「広瀬真もせっかくならモテモテライフを堪能しといたら?人生最後のモテ期かもよ?」


「私は死ぬまでモテてるからいいんだけど」と付け足し、フフンと鼻で笑う。
そもそも、私はこれをモテたくてやっているわけではないけどね。


「性格悪ッ……!
……はぁ、てか、俺はいい。今群がってる奴らは俺の家柄とか、上っ面しか見てねーやつらだろ。興味ねぇ。」

――その気持ちはわかる気がする。
相変わらずしかめっ面の拗ねた横顔を見て、ちょっと共感してしまった。

私に群がるジャガイモ達も、私を嫌う女共も、結局私を上辺だけでしか見ていない。
だから興味ないし、大嫌い。

でも、さ。

「勿体無い。他の2人もだけど、アンタっていい奴なのに。」

優しくされたことを思い出して、ふっと柔らかに頬が緩む。

上辺ばっかり見てチヤホヤしている奴らは本当に勿体無い。

友達になれば、ムカつくところもいいところも、ちゃんとわかるのにね。

広瀬真はまた驚いた顔をする。
「そーかよ」とくしゃりと笑った顔は、照れた様にも嬉しそうにも見えた。