お決まりの笑顔を作りながら、Oが抜けてH2、水素になったら奴らをぼんやりと眺める。
「女の子達にやられたんだって〜?大丈夫〜?」
榛名聖が自分の右頬を人差し指でトントンと指さして聞いてきた。
“大丈夫か”と聞いた割に心配はしていないらしい。
声も態度も脱力し切っている。むしろ楽しそうですらある。
「フハハ、ちょっとはマシな顔になったな!
…………大丈夫かよ。」
こっちは馬鹿にする割に心配してくれているらしい。
後半バツが悪そうに背けた顔を顰めてボソボソ喋るから、何言ってるかイマイチわからなかったけど。
この男、悪ぶってるだけで実はいい奴なんだね。
そう思って落とした時の罵詈雑言を減らしてあげようと思ったのに、次の瞬間にはブスを連呼しだしたからやめた。
バカ金髪はやっぱりバカのままだった。
「大丈夫だよ?でも心配してくれてありがとう。」
肩を竦めて潮らしく笑って見せる。
だって本当に平気だ。昨日よりは痛くないし。
……それに、アンタたちを落とせばやり返せるし。
「やられたらやり返せばいいのによ!」
さも当然という様にハッと息を吐いて金髪がそう言い放つ。
強気な言葉と口調に、私は一瞬固まった。
――おいおい、コイツは何を言っているんだ。
私はちゃんとやり返してる。
“女が望む通りに男を誑かす”っていう最強の方法で。
なんて言うわけにもいかず、困った様に苦笑い。
「やっ……やだぁ、広瀬くんったらそんな怖い事言わないで?」
「……そーかよ。」
ヘラヘラとして見える私を見て、金髪は心底“理解不能”と言う顔をして、それ以上何も言わなくなった。



