「俺は父親似で、傑と姫は母親似だからね。
あ。お茶、飲んで飲んで。」
近所のおばちゃんのような渉兄ちゃんの態度に、「いただきます」とお茶を啜る3人。
広瀬真は兄ズと喋るときはちょっと緊張気味だし、近江涼介は淡々としつつも礼儀正しくしているように見えるからなんか普通の高校生に見えて違和感。
ちなみに何故か榛名聖だけはいつも通りだ。
6人でお茶を飲んでほっと一息。
しばしの沈黙が流れた後、「いや待て、この状況おかしい」と思い出した。
「いやいやいや!
なんで兄ちゃんたちとコイツ等が私の家で仲良くお茶飲んでんの?!」
バン!と机を叩く音に、渉兄ちゃんは動じず微笑み、傑兄ちゃんはぽかんと目を丸くする。
「なんで…って、俺が連れてきたからだろ?」
「それがおかしいって言ってんのー!
大体学校まで何しにきたのさ!?」
「最近姫がおかしいからだろー?
突然叫んで家飛び出したり、部屋の中でジタバタしたり。
やたら友達とは何かみたいなこと聞いてくるし、兄ちゃん心配だったんだぞ?」
つい興奮して声を荒げた私を、傑兄ちゃんはよしよしするように抱きしめる。
この人の中で私は赤ちゃんか小動物に見えているに違いない。
「あいつ家でもヤベェやつなんだな……。」
「多分きっかけ俺達だし、これはお兄さんに怒られちゃうかもしれないね~。」
「というか、そのために呼んだんだろ。」
ギャーギャー騒ぐ私達兄妹をよそに、テーブルの向こう側でひそひそ話をする3人。
傑兄ちゃんの気持ち悪さ……
いや過保護さに事情を察した3人は、救いを求めるように渉兄ちゃんの方を見た。
渉兄ちゃんは相変わらずニコニコしたまま、私達の騒ぎを収めるように話し出した。
「やっと友達できたんだろうなって傑と喜んでたんだよ。
だから俺たち二人講義のない日に、ちょっと挨拶しに行ってみようかって。
そしたらなんか友達が男で………ねぇ?」
あ、こいつもダメだった。
そんな3人の心の声が聞こえる。
渉兄ちゃんが微笑みながら拳を合わせるとポキンポキンと音がして、3人は窮地に追いやられた。



