姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


――――
――……

「あーあ、夏休みが終わっちゃう。」

図書館から外に出た瞬間、夕焼けと夏のもやっとする暑い風が私たちを出迎える。

いつもならこの蒸し暑さにうんざりするところだけど、今は少しいい気分だ。

「でも、まぁいっか。ちょーっとだけ、夏休みできたし!」

上機嫌に浮かれて、近江涼介の顔を覗き込むようにして笑いかける。

近江涼介はちら、とこちらを見て「また意味不明なことを。」とだけ呟いた。


――新学期、まさかあんなことになるとも知らず、何もない平和な夏休みは終わっていった。