姫君の憂鬱―悪の姫と3人の王子共―


――――
――……

「夏休みが…!終わる…っ!」


ベッドの上でダラダラ過ごしていたというのに、驚愕の事実に跳ね起きた。


寝て食べて宿題してを繰り返して、気づけば8月も終わろうとしている。スマホの日付を見てびっくりした。

後3日しかないもん、夏休み。


H2Oとの予定がないとかぼやいていたあの頃が懐かしい。

このままでは本当に何もせず夏休みが終わってしまう…!


ベッドから降りるとものすごい勢いで着替え、バッグに財布やらポーチやらを詰め込む。

そのまま乱暴にドアを開けると真っ直ぐに玄関を目指した。


「――あれ?姫、出かけるの?」

騒々しい姫の足音を聞いて、兄が自室から顔を覗かせる。
その間にも私は靴を履いて、玄関のドアノブに手をかけている。

「うん、ちょっと夏休みをしに!」

言い終わるが早いか、ドアが閉まって外へ繰り出す足音が遠のく。

静かになった玄関ホールを見つめながら、「最近変わったなぁ。」と兄は呟くのだった。