「げぇえっ!涼介、コイツ蹴られて笑ってる!ドMだ!変態だ!」
心底ドン引きした顔をしている金髪が、私を指さして大声で喚き散らす。
失礼な物言いと喧しさに笑顔が引き攣りそうになるのを必死で我慢した。
と、ここで、今までずっとニコニコしながら見ていらだけだった茶髪が、まるで幼稚園児を嗜めるかの様な口調でこう言った。
「こら、まーくん。ダメでしょ、そんなこと言っちゃ。
“人の性癖”は色々あるんだから〜。」
ちっげぇよ。
的外れなフォローにもなっていないフォローに、心の中の私が白目を剥く。
「んだその言い方!馬鹿にしてんのか。」
「してないよ〜ちょっとしか⭐︎」
金髪と茶髪のじゃれあいの様な応酬になんだかよく分からないけど空気が緩んできて、笑顔を取り繕いながら内心呆然としてしまう。
黒髪はそこに参加することも砕けた空気に引っ張られることもせず、無表情でスンとしている。
……なんなのこれ、ムカつく。気持ち悪い!
避け続けていたカンは間違ってなかった。
コイツら、女に負けないくらい嫌いだ。
怒りと嫌悪感で眩暈がしてくる。
こんなところ一刻も早く立ち去りたい。


